GETDATE(3) | Linux Programmer's Manual | GETDATE(3) |
名前¶
getdate, getdate_r - 日付と時刻の文字列を要素別の時刻に変換する
書式¶
#include <time.h>
struct tm *getdate(const char *string);
extern int getdate_err;
#include <time.h>
int getdate_r(const char *string, struct tm *res);
glibc
向けの機能検査マクロの要件
(feature_test_macros(7) 参照):
getdate():
getdate_r():
説明¶
getdate() 関数は、 string が指すバッファに格納された文字列表現の日付と時刻を、 要素別の時刻 (broken-down time) に変換する。 要素別の時刻は tm 構造体に格納され、この構造体へのポインタが関数の結果として返される。 この tm 構造体は静的なメモリ領域にあり、 getdate() のそれ以降の呼び出しで上書きされるかもされない。
(format 引き数でフォーマットを指定する) strptime(3) とは違い、 getdate() は環境変数 DATEMSK で指定されたフルパス名のファイルに書いてあるフォーマットを用いる。
マッチの際には大文字小文字を区別しない。 パターン中でも変換される文字列中でも、余分な空白文字は無視される。
パターンに指定できる変換指定は、 strptime(3) のものと同じである。 POSIX.1-2001 では一つの変換指定が追加で規定されている。
- %Z
- タイムゾーンの名前。 glibc では実装されていない。
%Z が指定された場合、要素別の時刻を格納する構造体は、 指定されたタイムゾーンにおける現在時刻に対応する値で初期化される。 指定されていない場合、この構造体は現在のローカルタイムに対応する 要素別の時刻で初期化される (localtime(3) を呼び出した場合と同じ)。
曜日だけが指定された場合、 今日または今日以降で、 その曜日に合致する最初の日が採用される。
(年なしで) 月だけが指定された場合、 今月または今月以降で、 その月に合致する最初の月が採用される。
時・分・秒がいずれも指定されなかった場合、 現在の時・分・秒が採用される。
日付の指定がなかったが、時間 (hour) だけ指定された場合は、 現在の時間またはそれ以降で、その指定に合致する最初の時間が採用される。
getdate_r() は GNU 拡張で getdate() のリエントラント版を提供している。 getdate_r() では、エラーを報告するのにグローバル変数を使用したり、 要素別の時刻を返すのに静的なバッファを使用したりせず、 エラーを関数の返り値経由で報告し、要素別の時刻を 引き数 res が指し示す呼び出し側で割り当てたバッファに格納して返す。
返り値¶
成功すると、 getdate() は struct tm へのポインタを返す。 失敗すると NULL を返し、グローバル変数 getdate_err に以下に示すエラー番号のいずれか一つを設定する。 errno の変更については規定されていない。
成功すると、 getdate_r() は 0 を返す。 失敗すると、以下に示すエラー番号のいずれか一つを返す。
エラー¶
以下のエラーが、 (getdate() では) getdate_err 経由で返され、 (getdate_r() では) 関数の返り値として返される。
- 1
- 環境変数 DATEMASK が未定義、またはその値が空文字列である。
- 2
- DATEMSK で指定されたテンプレートファイルを読み込み用にオープンできない。
- 3
- ファイルのステータス情報が取得できない。
- 4
- テンプレートファイルが通常のファイルでない。
- 5
- テンプレートファイルの読み込み中にエラーが起こった。
- 6
- メモリの割り当てに失敗した (メモリが足りない)。
- 7
- 入力にマッチしたファイルに、行が含まれていない。
- 8
- 入力指定が正しくない。
環境変数¶
- DATEMSK
- 書式パターンを含むファイル。
- TZ, LC_TIME
- strptime(3) が用いる変数。
準拠¶
POSIX.1-2001.
注意¶
POSIX.1-2001 仕様では、 strptime(3) については %E や %O といった修正子を用いた変換指定を規定しているが、 getdate() についてはこのような修飾子の規定はない。 glibc では、 getdate() は strptime(3) を用いて実装されており、 両者では全く同じ変換が両者でサポートされている。
例¶
以下のプログラムは、コマンドライン引き数のそれぞれについて getdate() を呼び出し、それぞれについて返された tm 構造体のフィールド値を表示する。 次のシェル・セッションは、プログラムの動作例である。
$ TFILE=$PWD/tfile $ echo '%A' > $TFILE # Full weekday name $ echo '%T' >> $TFILE # ISO date (YYYY-MM-DD) $ echo '%F' >> $TFILE # Time (HH:MM:SS) $ date $ export DATEMSK=$TFILE $ ./a.out Tuesday '2009-12-28' '12:22:33' Sun Sep 7 06:03:36 CEST 2008 Call 1 ("Tuesday") succeeded:
tm_sec = 36
tm_min = 3
tm_hour = 6
tm_mday = 9
tm_mon = 8
tm_year = 108
tm_wday = 2
tm_yday = 252
tm_isdst = 1 Call 2 ("2009-12-28") succeeded:
tm_sec = 36
tm_min = 3
tm_hour = 6
tm_mday = 28
tm_mon = 11
tm_year = 109
tm_wday = 1
tm_yday = 361
tm_isdst = 0 Call 3 ("12:22:33") succeeded:
tm_sec = 33
tm_min = 22
tm_hour = 12
tm_mday = 7
tm_mon = 8
tm_year = 108
tm_wday = 0
tm_yday = 250
tm_isdst = 1
プログラムのソース¶
#define _GNU_SOURCE 500 #include <time.h> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> int main(int argc, char *argv[]) {
struct tm *tmp;
int j;
for (j = 1; j < argc; j++) {
tmp = getdate(argv[j]);
if (tmp == NULL) {
printf("Call %d failed; getdate_err = %d\n",
j, getdate_err);
continue;
}
printf("Call %d (\"%s\") succeeded:\n", j, argv[j]);
printf(" tm_sec = %d\n", tmp->tm_sec);
printf(" tm_min = %d\n", tmp->tm_min);
printf(" tm_hour = %d\n", tmp->tm_hour);
printf(" tm_mday = %d\n", tmp->tm_mday);
printf(" tm_mon = %d\n", tmp->tm_mon);
printf(" tm_year = %d\n", tmp->tm_year);
printf(" tm_wday = %d\n", tmp->tm_wday);
printf(" tm_yday = %d\n", tmp->tm_yday);
printf(" tm_isdst = %d\n", tmp->tm_isdst);
}
exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目¶
time(2), localtime(3), setlocale(3), strftime(3), strptime(3)
この文書について¶
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.51 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2010-09-20 |